広瀬八段3勝目!王将位獲得に王手!

こんにちは。久々の更新になります。

 

今回は第69期王将戦7番勝負第5局、渡辺王将×広瀬八段の一戦の模様をお伝えします。

 

この対局は大阪市「KKRホテル大阪」で行われました。
こちらのホテルは大阪城にめっちゃ近いみたいですね、レストランの窓から見える大阪城と夜景がとても綺麗です。

 

先手は渡辺王将、初手▲7六歩から相矢倉へ

▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲7七銀 △6二銀 ▲2六歩 △4二銀 ▲2五歩 △3三銀▲4八銀 △3二金 ▲5八金右 △5二金 ▲5六歩 △4一玉 ▲3六歩 △7四歩 ▲7八金 △3一角▲6九玉 △8五歩 ▲7九角 △5四歩 ▲6六歩 △4四歩 ▲6七金右 △4三金右 ▲3七銀 △6四角▲4六角

先手:31手目4六角

 

先手は渡辺王将、初手は▲7六歩でした、対して後手は△8四歩。以下▲6八銀 △3四歩~、と進み戦型は相矢倉戦となりました。

 

局面図は31手目。先手が角を4六に上がった所です、脇システムですね。

 

今回は長手数ですので結構端折っていきます。

 

41手目、先手▲3五歩と仕掛ける

△7三銀 ▲7九玉 △3一玉 ▲8八玉 △2二玉 ▲1六歩 △1四歩 ▲9六歩 △9四歩▲3五歩

先手:41手目3五歩

 

その後お互い玉を入城し、端歩を付き合い先後同型の飽和状態に。

 

先手の渡辺王将が決断よく▲3五歩と仕掛けます。

 

それにしても三段リーグ、西山さん残念だったな~。(←好きだなー、このくだり)
しかし今回で次点は付いたので、来期以降は3位までに入れば四段昇段になりますね。
新人王戦優勝でおしゃれに決めちゃうのもアリなんじゃないですか。(←他人事感ハンパないですね、冗談です、すみません。)

 

西山三段、来期以降も女性初の四段昇段期待しています、頑張って下さい!

 

そして服部新四段、谷合新四段、昇段おめでとうございます!

 

先手棒銀へ

△同 歩 ▲2六銀 △3四銀 ▲1五歩 △同 歩 ▲同 香

先手:47手目1五香

 

▲3五歩△同歩に対して先手は▲2六銀と進出。▲(3五)同角は△3六歩で後手良し。※以下▲4六銀△4五歩。

 

後手は△3四銀と起ち、3五の拠点を確保。先手▲1五歩と、再度仕掛け後手△同歩に▲同香と進みます。銀では行きませんでした、△1三歩にはどうするのでしょう??

 

先手角交換から角を打ち込む

△1三歩 ▲2四歩 △同 歩▲2五歩 △同 歩 ▲同 銀 △同 銀 ▲同 飛 △2三歩 ▲6四角 △同 銀 ▲4一角

先手:59手目4一角

 

▲1五香に△1三歩。先手は香はそのままに、2筋で▲2四歩~▲2五歩と継歩をして銀を捌きにいきます。
△(2五)同 歩 ▲同 銀 △同 銀、後手もあっさり銀交換に応えました。

 

その後先手から角を交換して矢倉戦によくある角の打ち込み、▲4一角。

 

先手香車取り返しに失敗するも好位置に角成り

△8六歩▲同 銀 △1四歩 ▲同 香 △同 香 ▲1五歩 △3四銀 ▲2八飛 △1五香 ▲6三角成

先手:69手目6三角成

 

後手△8六歩と一本入れて、△1四歩とついに香車の回収へ。▲同 香 △同 香と進み、先手も ▲1五歩と打ちますが△3四銀と打たれ取り返しに失敗。

 

しかし▲2八飛と引き、△1五香に▲6三角成と6四の銀に当てつつ好位置に馬を作ることに成功しました。

 

さあ、この後からはとても私の棋力では理解不能な大熱戦が始まります。

 

後手陣で大駒、銀、成銀の局地戦。でも全駒生還

△7三銀▲7二銀△6二歩▲8一銀成 △8六飛▲7二馬△8四飛▲9一成銀 △6四銀▲4六桂

先手:79手目4六桂

 

▲6三角成り対し後手は△7三銀と逃げます。先手▲7二銀。(△9三桂には▲9五歩でしょうか。)後手桂取に構わず馬取りの△6二歩、▲8一銀成※飛車当たり、△8六飛▲7二馬 △8四飛 ▲9一成銀△6四銀。

 

後手陣の狭い領域で飛車、馬、銀、成銀が当たりましたが、なんと全駒とも交換に至らないという結果に。

 

ちなみにこの局地戦での戦果は後手は8六にいた先手の守り銀一枚。先手は8一と9一の桂馬と香車二枚。

 

駒割は今の所先手の桂、後手の銀の銀桂交換になってますかね。

 

もう一つ加えると先手の9一に行ってしまった成銀は遠すぎてもう働きませんね、無いも同然です。

 

形勢判断は・・・、むずい!超難解ホークス山内最多勝!って感じです(←山内最多勝いらないでしょ、懐かしいけど)。

 

局面図は▲4六桂まで。この後、広瀬八段ののらりくらりが始まります。

 

先手香取りと後手玉脱出を抑える▲2六銀

△1九角▲3八飛 △7五歩 ▲3四桂 △同 金 ▲6一馬 △4三銀 ▲5二銀 △同 銀 ▲同 馬 △4三銀▲4一馬 △8二飛 ▲2四歩 △6三歩 ▲2三歩成 △同 玉 ▲2六銀

先手:97手目2六銀

 

後手の対応は△1九角と飛車取りに、▲3八飛と逃げます。

 

後手は6四の銀を活かして△7五歩と拠点作りに。

 

先手▲3四桂と王手で銀を取ります、△同 金に先手▲6一馬と、3四の金を狙います。

 

以下△4三銀、▲5二銀、△同 銀、▲同 馬に再度△4三銀、▲4一馬に△8二飛と引きました、△8二飛車、なんか良い手に見えます。

 

馬が4一に就いたので先手ついに▲2四歩とこじ開けにきました。後手△6三歩、後手陣の守備力がグンと上がった気がします。

 

▲2三歩成 △同 玉に1五の香取りと後手玉を抑える▲2六銀!こういうカッコいい手、指してみたいです。

 

広瀬八段の顔面ブロック

△7六歩 ▲1五銀 △1四歩▲2四歩 △1三玉 ▲2六銀 △2五歩 ▲3五銀 △同 金 ▲同 飛 △2四玉

後手:108手目2四玉

 

そういえばNHK杯も大詰めになってきました。撮りためて全然見てませんが泣(←泣、の使い方間違ってるよ)。

 

稲葉八段が決勝進出を決めてますね、逆ブロックは行方八段か深浦九段、どちらが来ても決勝は楽しみな対戦カードです。

 

ちなみにNHK杯の予選の棋譜ってどうやったら見れるんですかね、将棋講座にでも載っているのでしょうか。

 

局面図は△2四玉まで。おぉ、飛車が近い。

 

先手香取りの▲2六銀に対し後手は△7六歩と拠点作りを優先します、桂香持ってますからね。

 

以下▲1五銀△1四歩▲2四歩△1三玉!△3三では先手の選択肢が増えたそうです、なるほど。

 

ここで▲2六銀、うーん難しい。以下△2五歩▲3五銀△同 金▲同 飛となって局面図の△2四玉!怖い!

 

しかしこの△2四玉は、意外にしっかりした形なんだそうです(連盟モバイルより)。なるほど、勉強になります。

 

なんとなく流れが後手に、反撃開始の7五桂~8三香

▲3八飛 △7五桂▲3五金 △1三玉 ▲1七桂 △8三香

後手:114手目8三香

後手の顔面ブロックに先手は▲3八飛と引き、手番が後手に。△7五桂と設置。▲3五金の王手に△1三玉と逃げます。

 

そして▲1七桂と113手目にしてようやく右桂が動きました、矢倉戦てこんな感じになるんしたっけ?桂馬って。

 

後手△8三香と力を溜めます、しかし▲2五桂にはどうするんですか、これ。

 

後手玉小駒を駆使して壮絶な粘り

▲8六香 △同 香 ▲同 歩 △8七歩 ▲9七玉 △2二香▲2四歩 △同 香 ▲2七香 △3三桂 ▲2五香 △同 香 ▲1五歩 △2四歩 ▲2五桂 △同 桂▲1八飛 △1七香 ▲1九飛 △8八銀

後手:134手目8八銀

先手は果敢に攻めますが、後手も小駒を駆使して中々突破できません、先手は飛車も取られそうです。

 

局面図は134手目、後手が8八銀と打ち込んだ所、先手の飛車が角を取った為に9段目にいるので8段目の守備力が激減しています。

 

▲同金△同歩成りが、あれれ、先手玉に詰めろが掛かりそうですね。凄い追い込み、広瀬八段。

 

しかし134手目か、長いなー。

 

そしてこの後広瀬八段のボリショイな綱渡りが繰り広げられます。(←うん、ボリショイの使い方も間違ってる)

 

先手玉についに詰めろが、後手玉逃げに逃げまくって先手投了

▲同 金 △同歩成 ▲1四歩 △2三玉 ▲1三歩成 △同 玉▲3一角 △2二桂 ▲1四歩 △同 玉 ▲3二馬 △同 飛 ▲1六香 △1五歩 ▲同 香 △同 玉▲1六歩 △同 玉 ▲2七銀 △同 玉 ▲2八歩 △3八玉 ▲4九金 △4七玉 ▲4八香 △3七玉▲6四角成 △2六玉 ▲投了
まで162手で後手勝ち

投了図:162手目2六玉

 

▲同 金 △同歩成で先手玉はいよいよ受けがなくなりました。(▲8八同玉は、△8六飛、▲7九玉△、7八金、▲同玉、△8七飛成、以下詰み。)

 

もう後手玉を詰ますしかないので▲1四歩からラッシュを仕掛けますが、後手玉は機械のように正確に逃げ回り、先手の攻めを振り切ります。
先手ついに弾切れ、あえなく投了となりました。

 

タイトル戦らしい大熱戦でした、広瀬八段の中盤~終盤の差し回しが凄かったです、これで広瀬八段の3勝、王将位獲得と九段昇段に王手が掛かりました。
第6局が大変楽しみになってきました。

 

渡辺王将、棋王戦との並行で大変かと思いますが、次の第六局頑張って下さい。

 

両先生方、今回も勉強になりました、ありがとうございました。

 

 

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