将棋観戦:渡辺王将、珍しい右玉から、おしゃれな△5八成銀。

こんにちは。
今回は王将戦7番勝負第6局より、渡辺王将×広瀬八段の対局の模様をお伝えしたいと思います。

 

この対局は2020/3/13~14、佐賀県 「大幸園」にて行われました。

 

9時開局、持ち時間は各8時間です。

「大幸園」さんは有名なお食事処らしく、パノラマ展望と川魚が楽しめるみたいですね。
公式HPに載っている鮎の塩焼きはとても美味しそうです。

ヤマメの塩焼き

出典:http://www.taikouen.com/

初手は広瀬八段▲2六歩~角換り。そして渡辺王将の右玉!?

▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7六歩 △3二金 ▲7七角 △3四歩 ▲6八銀 △7七角成▲同 銀 △2二銀 ▲4八銀 △3三銀 ▲1六歩 △6二銀 ▲1五歩 △7四歩 ▲7八金 △6四歩▲4六歩 △7三桂 ▲6八玉 △9四歩 ▲9六歩 △6三銀 ▲4七銀 △8一飛 ▲3六歩 △6二玉

後手:30手目6二玉

 

王将戦もいよいよ6局目となりました、前局は広瀬八段が勝ち、3勝目、奪取に王手を掛けました。渡辺王将としてもここは星をタイに持って行きたい所です。

 

本局は広瀬八段の先手で始まりました、初手は▲2六歩、対して後手の渡辺王将は△8四歩。以下戦型は角換りに。

 

30手目、後手は、今ならば当然6二金ですが、渡辺王将は△6二玉と6二に玉を持ってきました。
確かに後手なので数手後に手待ちの行ったり来たりを繰り返す事は予想されるので、この手もその一環の動きなのでしょうか・・。
でも金は上がっておきたいですよね、角、交換してるし。

後手6筋の位を確保、先手も▲6六歩と反発

▲3七桂 △5二金 ▲2九飛 △5四歩 ▲4八金 △6五歩 ▲7九玉 △6四銀 ▲6六歩

先手:39手目6六歩

後手はやっぱり右玉でした、渡辺王将の右玉は初めて見た気がしますね、秘策なのでしょうか。

 

局面図は先手が▲6六歩と仕掛けた所。

後手左銀で果敢に突貫

△同 歩▲同 銀 △6五歩 ▲7七銀 △6三金 ▲5六銀 △4四銀 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩▲2九飛 △5五銀左

後手:52手目5五銀

後手は銀と桂で6筋の位はがっちり確保、しかし先手も2筋の歩を切れてまずまずといった感じでしょうか。
後手は3三の銀を4四、5五と進めていきます。銀交換になれば必殺の△4七銀~△3八角がありますね。

これ形勢はどちらがいいんですかね?さあ、あたすにはさっぱり

▲同 銀 △同 銀 ▲4五桂 △4四歩 ▲5三銀 △同 金 ▲同桂成 △同 玉▲7二金 △3一飛 ▲7三金 △8六歩 ▲同 歩 △6六桂

後手:66手目6六桂

先手は▲5五同銀とあっさり銀交換に応えました。△同銀に▲4五桂。後手は忙しくなりそう。

 

△4四歩と催促し、▲5三銀、△同金、▲同桂成、△同 玉とし、▲7二金とベタに飛車桂の両取りを掛けました。

 

アマチュアのような手に見えますが、恐ろしく読みが入っているんでしょうね。

 

後手は飛車を△3一に逃げました、先手▲7三金と桂を取り、後手は△8六歩を一本入れてから△6六桂。が局面図。
これ、どっちが優勢なんですかね。・・・さっぱり、先に進みましょう。

 

後手ようやく△4七銀を入れる。そしていい感じの△6五角

▲同 銀 △同 歩 ▲6八歩 △6四銀▲7四金 △4七銀 ▲4九金 △6五角

後手:74手目6五角

先手は▲同銀としました。△同歩に、一回▲6八歩と謝ります。△6四銀打に▲7四金。
後手ここでようやく△4七銀を決行します。

 

▲4九金に、△6五角、攻防手ですね、遠く飛車も睨んでいるし。私にはすごくいい手に見えますよ!王将。(←王将が迷惑)

出ました!しゃれおつな手△5八銀成

▲8五角 △5八銀成

後手:76手目5八銀成

▲8五角。8五角か~これもいい手ですね、金と歩に紐を付けながら7四の金の攻めの軸にもなっています。

 

△5八銀成!出ましたね、おしゃれな手が、先手はどう切り返すのでしょうか。

先手▲4一銀!後手痺れたか

▲5六桂 △5七成銀 ▲6四金 △同 銀▲4一銀

先手:81手目4一銀

先手は▲5六桂と埋めました、△後手も5七成銀と桂の土台を外します。以下△5七成銀 ▲6四金 △同 銀▲4一銀!
詰めろ金取り、厳しすぎます。
△7五銀とかじゃだめなのでしょうか。
それだと▲3二銀成(不成?)~▲2三飛成で、もうリップクリーム塗る感じですか。(←それ天彦さんのやつ)

 

後手もなかなか迫ってます。

▲5六桂 △5七成銀 ▲6四金 △同 銀▲4一銀 △7四歩 ▲3二銀成 △5六角 ▲2三飛成 △3三金 ▲同成銀 △同 桂 ▲2二龍 △8七桂▲8八玉 △6九銀 ▲7七金 △6八成銀

後手:94手目6八成銀

後手は△7五歩と先手を取らずに歩で角のラインを止めました。先手も▲3二銀不成~▲2三飛成を決行、そしてあれよあれよという間に最終盤へ。

 

先程までは後手玉が一方的に危ない状態だったのがこの局面では先手玉もかなり迫られています。
果たしてどうなるのか。

先手玉そのまま寄せ切られ投了。渡辺王将3勝3敗のタイに戻す

▲9八金 △9九桂成 ▲同 玉 △7八銀成 ▲8八金 △9七香▲3一龍 △9八香直成 ▲同 玉 △8八成銀 ▲同 玉 △7九銀 ▲9七玉 △9八金 ▲投了 まで108手で後手勝ち

投了図:108手目9八金

渡辺王将が小駒のみでそのまま寄せ切ってしまいました。
投了図以降、▲(9八)同玉は△8九角成、▲同玉(9七や8七に逃げるのは△8八馬。)、△8八金まで。▲8七玉は△8八金打まで。

 

これで星は3勝3敗の五分に。決着は第七局に持ち越しとなりました。
両先生方、次の第七局も良い将棋期待しています。ありがとうございました。

 

※渡辺王将、棋王防衛おめでとうございます。

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