藤井七段久々の横歩取り。そして一瞬の逆転劇!

こんにちは。今回は竜王戦3組ランキング戦より高橋九段×藤井七段の対局の模様をお伝えします。

 

この対局は2020/03/12 東京将棋会館で行われました。対局開始は10時、持ち時間は各5時間です。

藤井七段、久々の横歩取りかも

▲2六歩 △3四歩 ▲7六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金 ▲2四歩 △同 歩▲同 飛 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲3四飛

先手:15手目3四飛

 

先手は振り駒の結果藤井七段に。
初手▲2六歩、後手高橋九段△3四歩。以下▲7六歩△8四歩▲2五歩△8五歩と進み横歩取り模様。

 

藤井七段の横歩取りって久々じゃないでしょうか。最近は角換りか矢倉しか見た記憶がありません。この先どうなるか楽しみです。
局面図は15手目先手が3四飛と横歩と取った局面。

 

後手8五飛から積極的に2五に

△3三角 ▲5八玉 △8五飛 ▲3六歩 △2五飛▲2八歩

先手:21手目2八歩

 

▲3四飛に対して後手△3三角、▲5八玉に後手△8五飛と引きます。先手▲3六歩と青野流に。
後手は△2五飛と回りました、積極的です。
先手飛車成りを防ぐ▲2八歩。これで先手の歩得が消えてますね。

 

 

後手悩ましい△8六歩

△8五飛 ▲3八銀 △8二飛 ▲3七桂 △4四歩 ▲3五飛 △5四歩 ▲9六歩 △6二銀▲7七桂 △8六歩

後手:32手目 8六歩

 

後手は▲2八歩と打たせた戦果に満足して△8五飛と元の筋に戻ります。
対して先手▲3八銀に△8二飛、そして▲3七桂と先手は着々攻めの体制を築きます。対して後手はと△4四歩角道を止め、▲3五飛に△5四歩と中央の歩付きました。以下▲9六歩、△6二銀、▲7七桂。
そして後手悩ましい△8六歩。直接的には△8七歩成りが有り、▲8五歩とすると先手の飛車が8五に行けません。
かといって▲8五飛には△同飛、▲同桂、△2五飛とかがあるでしょうか。

 

先手1時間の大長考の末、▲8五飛決行

▲8五飛 △同 飛 ▲同 桂 △8二飛

後手:36手目 8二飛

 

先手の藤井七段、△8六歩に対して1時間の大長考だったそうです。
それほどいい手だったんですね、さすがタイトル獲得5期のベテラン高橋九段です。
そして決断の▲8五飛!一時間の長考の末、藤井七段は激しい変化を選びました。
▲8五歩では、じり貧と見たのでしょうか。
△同 飛、▲同 桂に△8二飛と8二に飛車を打ちました。△2五飛じゃ何かまずかったんですかね、▲8三飛〜▲8二が嫌だったのでしょうか。。

 

早くも勝負手!?先手劣勢か

▲9三桂成!

先手:37手目 9七桂成

 

△8二飛に対し、先手藤井七段▲9七桂成!と9筋に桂をなりました。
私など到底計り知れない膨大な読みから出された一手なのはわかっていますが、勝負手級の手に感じます。普通に進めば数手後に△8七歩成りがあります。大丈夫なのでしょうか・・・、大丈夫なんでしょうね。しかしなんか早くも後手が一本取った印象です。

 

後手8筋で押し込む先手も▲2五飛で切り返し

△同 桂 ▲6六角 △8五飛▲8八歩 △8七桂 ▲2五飛

先手:43手目 2五飛

 

そういえば藤井七段は昨年度升田幸三賞取ってるんですよね、確か石田(当時)五段戦の△8七(▲2三?)飛車!と歩と刺し違えて、そのまま詰ませてしまった手だったと思います。あれは凄い手でした。
今年度はどの棋士が受賞するのでしょうか、楽しみです。

 

局面図は先手が▲2五飛と飛車交換を迫ったところ。先程の▲9七桂成から後手は△同桂と取り、▲6六角に△8五飛、▲8八歩と不成をと受けますが、後手は得した桂を△8七桂と銀取に打ちます。後手かなり押し込んでる感じですね。そして局面図の▲2五飛。
でもこれ後手応じるとちょっと忙しくなりそうな印象、でもほっとくと▲2一飛成りがあるのか〜。

 

後手角ピンチしかし依然先手劣勢

△7九桂成 ▲同 金 △2五飛 ▲同 桂 △1五角 ▲1六歩 △2六角▲2七歩 △3七歩

後手:52手目 3七歩

 

後手一度は△7九桂成と銀を取ります。▲同 金に△2五飛と交換に応じました。▲同 桂が角に当たってます、気持ちのいい手です。
後手△1五角と好位置に逃げますが▲1六歩と追随。△2六角にも▲2七歩で角が詰んでしまいました。
しかし、駒は取られる瞬間が一番働くもの、△3七歩と銀の喉元にナイフを突き立てます。
これ取り合いは(△3八歩成に▲同金とした場合)△2九に飛車打ち込んで、金か香が取れそうなので後手がいいんじゃないでしょうか。
(この場合正解は△2六飛成なのだそうです、なるほど。。)

 

しかしなんとなく少し先手が盛り返している感じ、6六の角がそろそろ働いてくるでしょうか。

 

後手銀を打ち込み先手陣攻略

▲2九銀 △3八銀

後手:54手目 3八銀

 

先程の順がある為か、先手は角は取らず、▲2九銀と引きました。後手露骨に3八銀!と打ち込みます。先手陣大丈夫?

 

後手角を取られるも2枚銀で先手玉に激しく迫る

▲2九銀 △3八銀 ▲2六歩 △2九銀不成 ▲7五角 △3八銀不成 ▲4八金 △3九銀不成▲4九金 △4八銀

後手:62手目 4八銀

 

銀の打ち込みに▲2六歩とようやく角を外しました。後手は△2九銀不成と銀の方を取ります。
当然不成りとして香などは相手にしません。
ここで先手爽やかに▲7五角、自玉はだいじょぶなのですか・・、▲5六歩とかはやらないのですね。
後手は当然△3八銀不成とします。に▲4八金、このギリギリな感じ、私には耐えられません。△3九銀不成にも▲4九金と下がります。なかなかつかまりません、この金。
後手はたまらず△4八銀打と2枚目の銀を投入してきました。
これはほっとくと・・、△2八飛とかが厳しいでしょうか。

 

藤井七段、一瞬の隙を逃さず、あっという間に寄り筋に!

▲4三桂 △同 金 ▲3一角成

後先手:65手目 3一角成

 

しかしこの瞬間が甘かった様です、▲4三桂から△同 金、▲3一角成!とあっという間に後手玉が寄り筋に持って行ってしましました。
6筋の金銀の壁が何とも祟っています。今更どちらの金銀を動かして逃げ道を作っても先手の持ち駒に飛車がいるので意味がありません。
まさに一瞬の逆転劇。

 

この後は先手が王手、詰めろで後手玉を追い詰めます。

 

先手そのまま押し切り、後手投了

△4九銀不成 ▲6八玉 △4一金 ▲2四角 △4二桂▲4一馬 △同 玉 ▲2二飛 △5二玉 ▲4二角成 △同 金 ▲4三銀 △同 玉 ▲3五桂 △投了 まで79手で先手勝ち

投了図:79手目 3五桂

後手△4九銀不成の王手に▲6八玉。△4八飛の王手には▲7七玉で金一枚、桂一枚だとあと一枚足りない印象。
ですので後手は△4一金と受けに回りました。

 

しかしそこは世界一の詰まし屋、▲2四角から鮮やかに寄せきってしまいました。一瞬の隙を見逃さなかったさすが藤井七段です。

 

投了図以降は、△3四玉には:▲2三飛成、△4五玉、▲4六金まで。

△5三玉には:▲4二飛成、▲6四玉(△4二同玉は▲4三金からの詰み)、▲7五金、△5五玉、▲5六金まで。

△5二玉には:▲4二飛成〜▲4三金からの詰み。

 

両先生方、今回も勉強になりました。ありがとうございました。

 

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