将棋観戦 順位戦A級六回戦渡辺三冠VS広瀬八段。

こんにちは♪

 

今回の将棋観戦は順位戦A級6回戦より渡辺三冠VS広瀬八段の対局の棋譜を掲載します。本対局は2019年12月25日 東京将棋会館 特別対局室にて行われました。

 

持ち時間は各6時間。 順位戦なので先後は決まっています。本局は渡辺三冠の先手番となります。

先手の渡辺三冠は、三年前の叩かれ役を払拭するかのように昨年から勝ちまくり今年度の勝率はなんと0.844!まだ5回しか負けてないんですね、豊Pも棋聖位を奪取されてしまう訳ですこれは。渡辺三冠は竜王を11期も獲得されていてA級も8か9期も在籍しているのに何故か名人戦に縁がありません、不思議すぎる。が今期は今の所全勝でトップ街道を軽快に走っています。まだ6回戦目ですが、挑戦者最有力といっていいですね。

 

後手の広瀬八段の今年度順位戦の成績は前局まで四勝一敗で二位、本局に勝てばTOPの渡辺三冠を星をタイに持ち込むチャンスですので本対局は特に勝にこだわりたい大事な一局になりますね。広瀬八段にしてみても、竜王戦七番勝負に敗れた豊島名人へリベンジを果たす為にも是非名人挑戦権は獲得したい所です。

 

▲2六歩、△8四歩、▲2五歩、△8五歩、▲7六歩
先手渡辺三冠初手は▲2六歩、ちなみに機械トラブルで開始が五分遅れたそうですね、5手目▲7六歩となり角換り模様に駒組みが進みます。

 

△3二金 ▲7七角 △3四歩 ▲6二銀 △7七角成 ▲同銀 △2二銀 ▲4八銀
前図以降、角を交換して13手目、先手の渡辺三冠は▲4八銀とあがります。

13手目 先手 渡辺 4八銀

 

△3三銀 ▲7八金 △6二銀 ▲4六歩 △6四歩 ▲4七銀 △4二玉 ▲3六歩 △7四歩 ▲6八玉 △6三銀 ▲9六歩 △9四歩 ▲1六歩  △1四歩 ▲3七桂 △7三桂 ▲2九飛 △8一飛 ▲4八金 △6二金 ▲6六歩 △5四銀 ▲5六銀その後駒組みが続き、端も付き合い、右桂も跳ね、飛車と金は例のあの配置。後手が△5四に銀を腰掛けます。

37手目 先手渡辺5六歩

 

△5二玉 ▲7九玉 △4二玉
角換り相腰掛け銀後手番恒例の玉の反復横飛びに対し先手玉は左辺に移動します。もう少しゆっくり進むと思いましたが、次の渡辺三冠の指し手から局面が急に激しくなりました。

 

▲4五桂 △2二銀 ▲7五歩 △同歩 ▲5三桂成
前図以降、先手渡辺三冠は玉を入城せず、いきなり▲4五桂!後手は△4四歩を含みに△2二銀と引きます。対して先手は▲7五歩△同歩として▲5三桂成と桂を捨てて▲7四に打つ歩を補充しました。
確かに▲5三桂成は王手なのでこの手は手抜けませんもんね、納得。

45手目 先手渡辺5三桂成

 

△同玉 ▲7四歩 △4四歩 ▲7三歩成 △同金 ▲6五歩 △同歩 ▲6九飛
後手はこの5三の桂を金ではなく玉で取り、更に▲7四歩も受からないので△4四歩と突きます。先手は▲7三歩成から6筋を突き越して▲6九飛と回りどんどん攻めます。

先手 渡辺 53手目6九飛

 

△7四角 ▲4五歩 △5五歩
後手は△7四に角を放ち6五の歩を守ります、キツイ。先手の▲4五歩も手抜いて先手の前線拠点▲の5六の銀取りへ△5五歩、先手の攻めを食い止めようとします。

後手 広瀬 56手目5五歩

 

▲4六桂 △5六歩 ▲5四桂 △同玉 ▲5六歩 △5三玉 ▲5五歩 △6二桂 ▲5四歩 △同玉 
先手は△5五歩の銀取に構わず▲4六桂、と後手に対抗して銀取りに桂打ちを着手。そしてお互いの銀を取り合った後、先手はそのまま5筋の歩をどんどん突貫させます。これに後手はたまらず△6二に桂を打って5四の地点の数を増やしました。先手また構わず▲5四歩、後手△同玉 後手玉の位置、怖し!

後手 広瀬 66手目5四玉

 

▲7六歩 △5三玉 ▲4四歩 △3三銀 ▲5四歩 △同玉 ▲7五歩 △9二角 ▲7四銀 △同桂 ▲同歩 △同角 ▲4六桂
先手の次の一手は▲7六歩でした、戦場がいきなり中央から左辺に、▲7六歩に対し後手は△5三玉とさすがに出過ぎた玉を戻します。以後▲4四歩に対し、味のいい△3三銀。以降、先手は持ち駒の銀を投入して後手の6二の桂を消すことに成功。そして再び▲4六桂。

先手 渡辺 79手目4六桂

 

△5三玉 ▲5四角 △8二飛 ▲3二角成 △同飛 ▲5九飛 △5五歩 ▲同飛 △6二玉 ▲4三歩成 △6四角 ▲5四飛 △6六桂 ▲同銀 △同歩 ▲5五金
先手飛車金取りから気持ちのいい▲4三歩成、後手も△6四角と攻防に角を打ちますが、先手なけなしのカナ駒を▲5五に投入します。

投了図 95手目5五金

 

△同角 ▲同飛 △6四銀 ▲5九角 △7二銀 ▲7五歩 △5五銀 ▲7四歩 △同金 ▲3二と △7七歩 ▲6二飛 △8三玉 ▲7五桂 迄109手△投了
その後も先手は攻め続け、気が付けば109手目後手投了。本局、あの広瀬八段が防戦一方だった印象があります、強すぎる!!さすが三冠王。これで渡辺三冠は順位戦六連勝(その後稲葉八段にも勝たれ現在は七勝〇敗でぶっちぎり)、ほぼ挑戦権獲得で間違いないしょうか。

 

両先生方良い将棋をありがとうございました。

 

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