羽生九段VS藤井七段 王位戦挑戦者決定リーグ白組より

こんにちは。

 

将棋観戦記、今回は王位戦挑戦者決定リーグ白組より、羽生九段VS藤井七段の対局の棋譜を掲載します。

 

この対局は2020/2/18 東京将棋会館「特別対局室」にて行われました。

 

 

 

初手は藤井七段 戦型は角換りへ

▲2六歩 △8四歩 ▲7六歩 △3二金 ▲2五歩 △8五歩 ▲7七角 △3四歩 ▲6八銀 △7七角成

後手 羽生九段 △7七角成

 

王位戦挑決リーグ白組第2戦、羽生九段VS藤井七段の超好カードの棋譜をお届けします。ちなみに超好カードを記念して、本記事より”kifu for js”を導入しました。より棋譜が見やすくなったかと思います。モバイルにはちょっとまだ見にくくなってます、すみません。※スマホは文字化けが激しいので、PCのみにしました。すみません。

 

初手は藤井七段▲2六歩、後手羽生九段△8四歩と進み、局面図は10手目後手の羽生九段が△7七角成と角を交換した局面です。藤井七段、朝日杯は残念でした、来年また期待してます。そして優勝した千田七段おめでとうございます。

相腰掛け銀、そしていつもの型

▲同 銀 △2二銀 ▲4八銀 △3三銀 ▲3六歩 △6二銀 ▲4六歩 △6四歩 ▲3七桂 △4二玉▲7八金 △6三銀 ▲6八玉 △7四歩 ▲4七銀 △7三桂 ▲9六歩 △9四歩 ▲1六歩 △1四歩▲4八金 △8一飛 ▲2九飛 △5二金 ▲6六歩 △6二金 ▲5六銀 △5四銀

後手 羽生九段 △5四銀

 

38手目まで飛ばします。角交換の後、相腰掛け銀、そしていつもの型に。角交換には優秀なんですね、この型、確かに打ち込み場所ないですもんね。

 

そういえば本局とは全く関係ないのですが、2/16の三段リーグ戦で西山三段が2連勝しましたね。現在12勝4敗で3位(順位の差)、次戦で女性初の四段誕生見られるでしょうか。超絶楽しみです。

 

先手藤井七段▲4五桂から仕掛ける

▲7九玉 △5二玉▲8八玉 △4二玉 ▲4五桂 △4四銀 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲2九飛 △6五歩▲同 歩 △7五歩 ▲2二歩 △同 金 ▲7九玉 △3二金 ▲2二歩

▲2二歩

 

先手の藤井七段は▲8八玉と入ってすぐさま▲4五桂と仕掛けました、対して後手羽生九段は銀を△2二ではなく△4四へ。羽生先生は駒をめったに後ろに引きませんね。先手は飛車先を切った後、壁を作るべく▲2二歩、後手はすぐこの歩を払いますが、先手もしつこく2度目の▲2二歩を打ちました。藤井さんのこの2度目の2二歩、8八歩を結構よく見る気がしますね、半ば定跡手筋みたいなものですか。局面図は2度目の▲2二歩まで。

 

なんとびっくり▲7五銀!

▲7九玉 △5二玉 ▲8八玉 △4二玉 ▲4五桂 △4四銀 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲2九飛 △6五歩▲同 歩 △7五歩 ▲2二歩 △同 金 ▲7九玉 △3二金 ▲2二歩 △同 金 ▲3五歩 △7六歩▲同 銀 △8六歩 ▲同 歩△同 飛 ▲7五銀

先手 藤井七段 ▲7五銀

先手藤井七段は△2二金と壁金にさせてから3筋の歩を突きます、後手羽生九段も△6五歩、△7六歩と7七に銀を釣り上げて△8六歩。▲同歩、 同飛に▲8七金ではなくなんと ▲7五銀!ごいすー。なるほど△8五飛にはどんどん前へ、いう感じなのでしょうか。でも△7六飛にはどうするんでしょう?本譜はそうならなかったので今回は分かりませんでした。

先手55分の大長考

△8一飛 ▲8二歩 △同 飛 ▲7一角 △7二飛▲6二角成 △同 飛 ▲7四歩 △6五桂 ▲7三歩成 △6一飛 ▲7二と

先手 藤井七段 ▲7二と

 

先手の▲7五銀を見て後手は△8一飛と引きました。先手は追撃すべく▲8二歩~▲7一角!攻めますね、本局の藤井七段。その後▲7四歩からと金を作りますが、後手の76手目▽6一飛に対して55分の長考。持ち時間4時間の対局なので、大長考と言っていいですね、で指した手が▲7二と。55分の間に何をどれくらい読んでいたのか気になりますよね、特に藤井さんですから。

 

先手の強きの踏込みに後手ブロック作り

△3一飛 ▲6六銀 △6四歩▲3四歩 △同 飛 ▲6二と △2四歩 ▲3三歩 △4五銀右 ▲同 歩 △3三銀

後手 羽生九段 △3三銀

後手は△3一に飛車を逃がしました。先手は一度▲6六銀と引きます、受けの手っぽいですか。その後▲3四歩と取り込み~▲6二とと寄ります。対する後手は4五で銀桂交換をしたのち、△3三銀と歩を払いながらなんか金銀がいい形に、84手目の△2四歩でいつの間にか玉が広くなってます。不思議です、羽生さんの棋譜は。

 

先手、飛車捕獲成功

▲4四歩 △同 歩▲6五銀直 △同 歩 ▲4六桂 △3六飛 ▲4七銀 △3五飛 ▲3六銀 △5五飛 ▲5六銀

先手 藤井七段 ▲5六銀

 

先手93手目▲4六桂から持ち駒の銀を投入し、後手の飛車を確保しました。局面図は▲5六銀まで。

 

まさに一瞬!必殺の▲3四角

▲4四歩 △同 歩▲6五銀直 △同 歩 ▲4六桂 △3六飛 ▲4七銀 △3五飛 ▲3六銀 △5五飛 ▲5六銀 △同 飛▲同 歩 △3二玉 ▲6三と △2三玉 ▲5三と △6四角 ▲3五銀 △4六角 ▲同 銀 △6六桂▲7二飛 △7一歩 ▲3四△投了 まで113手で先手の勝ち

先手 藤井七段 ▲3四角

後手は仕方なく飛車を切り、切り札の△6六桂で攻めますが、▲7二飛、△7一歩のあと、先手藤井七段いきなりただ捨ての▲3四角!しかし後手はこの角を取ることなく投了。えぇ!いきなりですか。しかしよく見ると、取ると詰みですね。(例)△3四同銀は▲2四飛△同玉▲2二飛成△2三歩▲2五金△同玉▲3五金△2六玉▲3七金まで。(例2)△3四同玉は▲3五金△2三玉▲2四金△同銀▲同飛△同玉▲2二飛成△2三歩3五金まで。1筋に逃げても一手一手との事。

 

この△3四角は、故・村山聖九段が最後の対森内(当時八段)戦で見せた角のただ捨てを彷彿とさせるもの凄い角打ちでした。凄い将棋でした。両先生ありがとうございました。藤井七段、来季は是非タイトル挑戦を見せて下さい。羽生九段、100期目、待っています。

 

また更新します。

 

竜王戦ランキング戦より藤井七段の大逆転の一局、ベテラン高橋九段の前に終始劣勢に立たされた藤井七段、持ち時間もほぼ使い切りピンチにみえましたが、終盤一瞬緩んだ隙を見逃さず、あっという間に高橋玉を寄せ切ってしまいました。終盤鬼神の差し回し、以下の記事で掲載しています。

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